ガイド

アンケートの性別の聞き方|質問文・選択肢と任意回答の決め方

English version available
アンケートの性別の聞き方|質問文・選択肢と任意回答の決め方

アンケートで性別を聞くときは、「何の判断に使うか」を先に決め、必要な場合だけ、尋ねる内容と任意であることを伝えます。 選択肢を増やす前に、その欄自体が必要かを確認するのが出発点です。集計にも共有にも使わないなら、設けない方法があります。

残す場合は、回答者が自分に合う答えを選べる文面と、答えずに進める経路を用意します。「回答しない」と空欄は、性別の種類ではありません。集計する段階でも、本人が選んだ性別と非回答を分けて扱います。

この記事では、一般の顧客アンケートを想定し、質問を置く判断から公開前チェックまでを整理します。医療、採用、法令で様式が決まる手続きは対象が異なります。以下の文例と数値は設計を考えるための架空例で、実際の調査結果ではありません。

性別を聞く目的、質問文と選択肢、答えない選択、集計と公開方法を決める4ステップ

性別欄を置く前に、回答で変わる判断を決める

「どんな人が使っているか知りたい」だけでは、質問を増やす理由が広すぎます。回答を見た担当者が、何を変えるのかまで書いてみます。聞きたいことが商品の使い方なら、性別から推測せず、使い方を直接尋ねた方が目的に合うこともあります。

調べたいこと先に確認する質問性別欄の判断
利用しにくい時間帯を知りたいいつ利用したいか、何が妨げになるかまず時間帯と困りごとを直接聞く
商品の用途を知りたいどの場面で使うか性別を用途の代わりにしない
利用経験の違いを属性別に確認したい比較で見つかった差を何に反映するか使途と共有方法を説明できる場合に検討する
前回と同じ項目を並べたい前回の性別集計を実際に使ったか継続だけを理由に残さず見直す

この表は独自の検討例です。特定の属性と好みや行動を結び付けるものではありません。性別による差が見えても、それだけで差の原因まで分かるわけではないんです。

GOV.UKのフォーム設計ガイドでは、質問ごとに必要性と回答の使い道を整理してからフォームへ載せる考え方を示しています。また、袋井市の性別欄見直しは、市の様式について、業務上の必要性を点検し、記載が必要な場合にも任意回答や自由記載などを検討する実例です。どちらも、民間の全アンケートに同じ様式を義務付ける資料ではありません。

設問全体を整理したい場合は、アンケートの目的と質問形式の決め方から始めると、この欄の優先度も判断しやすくなります。

「性別」で何を尋ねるのかを明確にする

「性別」という短いラベルだけでは、自分が認識している性別なのか、出生時の記録なのか、回答者によって受け取り方が分かれる場合があります。知りたい内容を決めずに、項目名だけをコピーしないようにします。

Statistics Canadaの参照ガイドは、本人の個人的・社会的なアイデンティティーとしてのgenderと、出生時に割り当てられるsex at birthを区別しています。本記事の文例は、現在ご自身が認識している性別を本人に尋ねる設計です。両方を聞くことや、過去の性別を追加で聞くことを勧めるものではありません。

調査の使途がその情報を必要としないなら、質問を外します。必要な場合も、回答者の名前や見た目から担当者が補うのではなく、本人が回答した内容の範囲で扱います。別の属性や経験まで推定しないことも、設計時に決めておきます。

質問文と選択肢をセットで作る

選択式のたたき台

次は、任意の単一選択として作る場合の独自の例です。すべての対象者や調査にそのまま使える標準ではないため、対象となる人に意味が伝わるかを事前に確かめてください。

ご自身の性別について、現在の認識に最も近いものを選んでください。(任意)

この質問は、利用経験に違いがあるかを検討するために使います。回答せずに進むこともできます。

  • 女性
  • 男性
  • ノンバイナリー(男性・女性のどちらか一方に限らない)
  • 自分の言葉で表したい
  • 回答しない

「自分の言葉で表したい」を選んだ人には、任意の記入欄を案内します。選択しただけで文章の入力を必須にしないようにします。「回答しない」を選んだ人へ、理由を求める欄も置きません。説明に書いた利用目的は、実際に予定している使い道へ必ず差し替えます。

単一選択は集計を整理しやすい一方、複数の表現が当てはまる人には窮屈な場合があります。対象者に確認して、自由記述や複数選択が適切かを検討します。複数選択にするなら、回答の数と回答者の人数が一致しないことを、集計のルールにも反映させます。

自由記述で尋ねるたたき台

選択肢で分類する必要が薄い場合は、任意の短い記入欄も候補になります。

ご自身の性別について、差し支えなければ、ご自身に合う言葉で教えてください。(任意)

この欄は空欄でも送信できます。ここには氏名や連絡先を記入しないでください。

自由に書ける一方で、読む担当者の負担や表記の揺れが生じます。後から担当者の推測で男女へ振り分けたり、原文をそのまま共有したりしないよう、扱いを決めておきます。そもそも使い道がない場合に、自由記述へ変えるだけで収集を続ける必要はありません。

「任意」の表示と、実際の入力設定をそろえる

説明文に任意と書いていても、画面の必須設定が有効なら、空欄では進めません。質問文、入力設定、エラー文の3つをそろえます。「回答しない」を選べても、その選択を求めて送信を止める構成は、空欄のまま進める構成とは異なります。

最初から「男性」などを選択済みにすることも避けます。回答者が触らずに送った値を、その人の回答として集計してしまうためです。テストでは未選択のまま進めるか、一度選択したものを変更できるかも確認します。

入力方式によっては、一度選んだ単一選択を空欄に戻せないことがあります。その場合も「回答しない」へ変更できるかを確かめ、途中で答えたくなくなった人が進める経路を残します。

性別を答えないことで、通常の顧客アンケートの自由意見欄まで使えなくなる設計は見直します。回答を求める必要がある特殊な調査なら、この任意回答の例を流用せず、その調査の目的と条件を別に整理してください。

空欄と「回答しない」を分け、集計の母数を書く

性別の回答を集計するときは、少なくとも次の状態を区別できるようにします。

状態集計前に決める扱い
性別の選択肢を回答した本人が選んだ区分として扱う
自分の言葉で回答した原文の閲覧者を絞り、分類する場合は方法を記録する
「回答しない」を選んだ意思を示した非回答として扱う
空欄のまま送信した未回答として残し、理由を推測しない

架空の例として、全回答100件のうち、性別の選択肢を回答したものが85件、「回答しない」が5件、空欄が10件あったとします。85件には「自分の言葉で表したい」を選び、追加入力をしなかった回答も含めます。追加入力が空欄であることと、質問全体が未回答であることを分けます。

ある選択肢を選んだ人が34件なら、この85件に対しては40%、全回答100件に対しては34%です。どちらの母数を使ったかで意味が変わるので、グラフの近くに示します。

「回答しない」や空欄を、特定の性別や「その他」へまとめないようにします。また、任意回答で得られた分布を、そのまま全顧客の分布だと読み替えないことも大切です。集計の進め方は、アンケート集計と自由記述の整理で詳しく扱っています。

共有時は、性別と店舗、年代、利用日などを組み合わせた小さな区分から、個人が分からないかを確認します。共通の人数基準だけで安全を判断せず、必要ならその内訳を公開しない方法を選びます。氏名を聞かないだけで匿名になるわけではありません。識別や閲覧範囲の設計は、匿名アンケートの作り方へ分けて確認してください。

公開前に、回答する側と集計する側で試す

  1. 性別の回答で変わる判断と、担当者が説明できる利用目的を記録します。
  2. 初期値を選ばず、空欄のまま最後まで送信できるかを試します。
  3. 「回答しない」や自由記述の選択から、説明や記入を強制されず進めるかを試します。
  4. スマートフォンとキーボード操作で、質問文・説明・全選択肢を確認します。
  5. テスト回答の表示と出力を見て、空欄、非回答、本人の回答が混ざらないかを確認します。
  6. 共有する表に母数を付け、少人数の組み合わせや自由記述をそのまま出していないかを確認します。

この確認は、選択肢を一度決めて終わりにしないためのものです。試した人が質問の意味や答え方に迷ったら、文面だけでなく、そもそもこの設問を残す必要があるかまで戻って見直します。

よくある質問

男女二択に「その他」を足せばよいですか?

それだけで十分とは決まりません。まず何を知るための質問かを決めます。「その他」だけでは自分をどう表せばよいか迷う場合もあるため、説明、自由に表す方法、答えない方法を含めて検討します。選択肢を増やせば必ず回答しやすくなる、というものでもありません。

性別の回答は必須にした方が集計しやすいですか?

空欄は減るかもしれませんが、答えたくない人の意に沿わない回答が混ざる可能性もあります。一般の顧客アンケートでは、集計表を埋める都合だけで必須にせず、必要性と回答者の選択を一緒に考えます。

前回と選択肢が変わったら、同じグラフで比較できますか?

質問の意味や区分が変わった場合は、同じ数値として単純に比較しないようにします。変更した日、文面、選択肢、集計方法を残し、比較できる範囲を確認します。過去の自由記述を推測で新しい区分へ置き換えることも避けます。

フォーム全体の設計につなげる

性別欄を決めたら、ほかの属性項目も同じ視点で点検してみませんか。フォームの作り方と用途別の設計では、項目と送信後の扱いを一緒に整理できます。

FORMLOVAで下書きを作る場合も、まず「何を知りたいか」「何を聞かないか」「任意の質問はどれか」を言葉にします。作成後は、プレビューだけで判断せず、テスト回答と集計時の見え方まで確かめてください。FORMLOVAを始める前に設問の目的を決めておくと、作成時の指示も具体的になります。

執筆・確認情報

2026年10月5日に記載の一次資料とFORMLOVA内の関連ガイドを確認しました。文例、判断表、100件の集計例はこの記事のために作った架空例です。特定の組織での実施結果や、回答率・匿名性を保証するものではありません。対象者、利用目的、共有範囲が変わったときは、設問の必要性から見直してください。

次にやること

フォームを作るだけで終わらせない

この記事の内容を、実際のフォーム作成、回答管理、MCP連携で試せます。

最終検証日:

この記事をシェア

執筆者

@Lovanaut
@Lovanaut

FORMLOVAの開発者。「ラバ = ラブ」の想いで、優しいサービスを作り続けています。

同じカテゴリの記事