最終更新日: 2026-05-04
NPSフォームを作るだけなら、0から10までの点数を聞けば始められます。
でも、実務で難しいのはそこではありません。
どのタイミングで聞くのか。CSATと何が違うのか。9点と8点を同じ高評価として扱ってよいのか。低評価の人へ連絡してよいのか。自由記述をどう読むのか。回答後に誰が何をするのか。
NPSフォームは、点数を集めるためのフォームではありません。
推奨者、批判者、理由、フォロー対象を見つけて、次の改善につなげるためのフォームです。
この記事では、NPSフォームの作り方、NPSスコアの計算方法、CSATとの使い分け、FORMLOVAでの作成手順、低評価者へのフォロー設計までまとめます。
アンケートフォーム全般の設計から見たい場合は、先にアンケートフォームの作り方を読むと、目的設定、自由記述、集計軸の考え方から整理できます。この記事は、その中でもNPS/CSATに絞った実務ガイドです。
まず結論 -- NPSは関係性、CSATは直近体験を測ります
NPSとCSATは、どちらも顧客満足度まわりで使われます。ただし、測っているものが違います。
| 指標 | 主に測るもの | 代表的な質問 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| NPS | 推奨意向、ロイヤルティ、関係性 | このサービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか | 継続利用、プロダクト全体、顧客関係の定点観測 |
| CSAT | 特定の体験への満足度 | 今回のサポート対応にどのくらい満足しましたか | 問い合わせ後、購入後、イベント後、納品後 |
迷ったら、次のように分けると安全です。
サービス全体への推奨意向を知りたい: NPS
直近の対応やイベントへの満足度を知りたい: CSAT
低評価者に個別フォローしたい: 連絡同意と自由記述を入れる
点数だけでは改善できません。
NPSでもCSATでも、必ず「その理由」と「フォローしてよいか」をセットで設計してください。
NPSフォームに入れるべき項目
NPSフォームの最小構成は、次の5項目です。
1. 推奨度を0-10で聞くNPS項目
2. その点数をつけた理由
3. 改善してほしい点
4. 個別フォローしてよいか
5. 連絡先、必要な場合のみ
最初の質問は、0から10までのスケールで聞きます。
このサービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?
0 = まったく薦めない
10 = 強く薦めたい
この1問だけでもNPSスコアは計算できます。
ただし、フォームとしては足りません。
なぜなら、点数だけでは改善点が分からないからです。6点の人が不満なのは価格なのか、サポートなのか、機能不足なのか、期待値のズレなのか。9点の人が評価しているのは使いやすさなのか、価格なのか、担当者の対応なのか。理由を聞かなければ、次の行動に落ちません。
そのため、NPS項目の直後には、理由を聞く自由記述を置きます。
その点数をつけた理由を教えてください。
さらに、個別フォローをしたい場合は、連絡同意を分けて聞きます。
必要に応じて、担当者から詳しくお話を伺ってもよいですか?
- はい
- いいえ
メールアドレス、任意
低評価だからといって、無条件に連絡してよいとは限りません。フォローするなら、連絡してよい理由と連絡先の扱いをフォーム上で明確にしてください。
NPSスコアの計算方法
NPSでは、0から10の回答を3つに分けます。
| 点数 | 区分 | 意味 |
|---|---|---|
| 9-10 | 推奨者 | 積極的に薦めてくれる可能性が高い |
| 7-8 | 中立者 | 満足しているが、強い推奨まではしない |
| 0-6 | 批判者 | 不満や離脱リスクを抱えている可能性がある |
Bain & Companyの説明では、NPSスコアは「推奨者の割合」から「批判者の割合」を引いて計算します。
NPS = 推奨者の割合 - 批判者の割合
例として、回答が100件あったとします。
| 区分 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 推奨者 | 40件 | 40% |
| 中立者 | 30件 | 30% |
| 批判者 | 30件 | 30% |
この場合のNPSは、次の通りです。
40% - 30% = 10
NPSスコアは、-100から100の範囲になります。
ここで注意したいのは、中立者を分母から外すわけではないことです。中立者はスコアの引き算には直接入りませんが、全体の割合を計算するときの母数には入ります。
もう1つの注意点は、スコアだけで善し悪しを決めないことです。NPSは便利な指標ですが、業界、顧客層、調査タイミング、サンプル数によって見え方が変わります。大切なのは、前回からどう変わったか、どのセグメントで下がっているか、低評価の理由が何かです。
なお、Net Promoter、NPSなどの表記はBain & Company, Inc.、Fred Reichheld、NICE Systems, Inc.などに関わる登録商標・サービスマークとして案内されています。記事や資料で使う場合は、商標表記に注意してください。
CSATフォームの作り方
CSATは、特定の体験に対する満足度を測る指標です。
たとえば、次のような場面に向いています。
サポート対応後
商品購入後
イベント参加後
ウェビナー終了後
オンボーディング完了後
資料請求後
CSATフォームの基本構成は、次の通りです。
1. 何についての満足度かを明示する
2. 5段階などの満足度評価を置く
3. 評価理由を聞く
4. 改善してほしい点を聞く
5. 必要に応じてフォロー同意を聞く
質問例はこうです。
今回のサポート対応にどのくらい満足しましたか?
- 満足
- やや満足
- どちらとも言えない
- やや不満
- 不満
SurveyMonkeyのCSATヘルプでは、一般的なCSATアンケートは単一選択のCSAT質問とフォローアップの自由回答で構成され、上位2つの肯定的な回答を満足として扱う計算例が紹介されています。
CSATの計算は、一般的には次の形です。
CSAT = 満足とみなす回答数 / 総回答数 × 100
5段階評価なら、「満足」「やや満足」を満足として扱う方法がよく使われます。
NPSよりも、CSATのほうが直近の体験に向いています。たとえば「昨日の問い合わせ対応はどうだったか」「今回のセミナーはどうだったか」を聞くなら、CSATのほうが答えやすいです。
FORMLOVAでNPSフォームを作る
FORMLOVAでは、NPS項目を含むフォーム作成、回答受付、回答閲覧、回答検索、ステータス管理、CSV / Excelエクスポートを無料プランから使えます。
たとえば、チャットで次のように頼めます。
NPSフォームを作ってください。
0-10のNPS項目、点数の理由、改善してほしい点、フォロー同意、任意のメールアドレスを入れてください。
CSATフォームなら、こうです。
サポート対応後のCSATフォームを作ってください。
5段階の満足度、理由、改善してほしい点、フォロー同意を入れてください。
フォームを作るときは、最初から長くしすぎないほうがよいです。
NPSなら、まずは次の構成で十分です。
| 項目 | 必須/任意 | 目的 |
|---|---|---|
| NPSスコア | 必須 | 推奨者/中立者/批判者の分類 |
| 理由 | 任意または必須 | 点数の背景を知る |
| 改善してほしい点 | 任意 | 次の改善候補を拾う |
| フォロー同意 | 任意 | 個別連絡の可否を確認 |
| メールアドレス | 条件付きまたは任意 | 連絡希望者だけに使う |
重要なのは、最初から完成版の調査票を作ることではありません。
スコア、理由、フォロー可否を取れる状態にして、回答後の運用を回せるようにすることです。
低評価者へのフォローを設計する
NPSフォームで一番もったいないのは、批判者を見つけても何もしないことです。
0-6の回答が来たら、少なくとも次のどれかを決めておきます。
担当者が内容を確認する
連絡同意がある人だけ個別フォローする
改善要望として分類する
同じ理由が複数出たら改善タスクにする
次回の定期レポートで確認する
FORMLOVAでは、スタンダード以上で条件付きメールやワークフローのメール送信アクションを使えます。スタンダードプランは月額480円です。
たとえば、次のような運用を作れます。
NPSが6以下
かつ
フォロー同意が「はい」
なら
担当者向けに通知し、フォローアップメールを送る
低評価者に自動で謝罪文を送ればよい、という話ではありません。
むしろ、最初のメールは短く、誠実に、次の連絡の入口を作るくらいが安全です。
ご回答ありがとうございます。
いただいた内容を確認しました。
もし差し支えなければ、改善のために詳しくお話を伺えれば幸いです。
このように、スコアから次の対応へつなげると、NPSフォームは単なるアンケートではなく、改善の入口になります。
Workflow Placeには、顧客満足度から条件分岐フォローアップにつなげるレシピもあります。ワークフローを自分でゼロから考えるより、既存レシピのプロンプトをコピーして調整するほうが早い場合があります。
詳しくはFORMLOVAのWorkflow Placeからレシピを見つけて、チャットで設定する方法を見てください。
回答後の分析 -- 点数よりも理由を読む
NPSやCSATでは、点数の平均だけを見ても不十分です。
見るべきなのは、次の組み合わせです。
| 見るもの | なぜ見るか |
|---|---|
| 推奨者/中立者/批判者の割合 | 全体の温度感を見るため |
| 前回からの変化 | 改善や悪化の方向を見るため |
| 顧客種別ごとの違い | 特定セグメントの不満を見つけるため |
| 自由記述の頻出語 | 不満や評価の理由を把握するため |
| フォロー希望者 | 対応すべき人を見落とさないため |
FORMLOVAでは、無料プランでも回答検索、ステータス管理、CSV / Excelエクスポートを使えます。スタンダード以上では、自由記述分析、クロス集計、PDFレポート、詳細分析も使えます。
たとえば、次のように整理します。
NPSが6以下の回答だけ見せて
フォロー同意がある人を未対応にして
改善理由をカテゴリ別に整理して
自由記述でよく出る言葉をまとめて
ここで大事なのは、スコアを眺めることではありません。
低評価の理由を見つけ、対応状況を残し、次の改善につなげることです。
回答後の対応状況を管理する流れは、回答一覧を見て絞り込みとステータス管理をする方法でも詳しく説明しています。
NPS/CSATフォームでよくある失敗
よくある失敗は、次の5つです。
| 失敗 | なぜ問題か | 対策 |
|---|---|---|
| 点数だけ聞く | 改善理由が分からない | 理由の自由記述を入れる |
| 低評価者に連絡できない | フォロー対象を逃す | 連絡同意と任意メールを入れる |
| NPSとCSATを混ぜる | 何を測ったのか曖昧になる | 関係性はNPS、直近体験はCSATに分ける |
| 全員に同じ長い質問を出す | 回答負担が増える | 条件分岐や任意項目で軽くする |
| 集計して終わる | 改善につながらない | ステータス、担当者、次アクションを決める |
特に注意したいのは、低評価者への扱いです。
不満を持っている人は、必ずしも長い説明をしたいわけではありません。連絡を求めているとも限りません。だからこそ、フォローしてよいかを聞き、同意がある人だけに丁寧に連絡する設計が必要です。
NPS/CSATは、数字をきれいに見せるための仕組みではありません。
声を改善につなげるための仕組みです。
FAQ
NPSフォームには何を入れればよいですか?
0-10の推奨度、点数の理由、改善してほしい点、フォロー同意、必要な場合の連絡先を入れます。点数だけでは改善理由が分からないため、理由の自由記述を必ず入れてください。
NPSスコアはどう計算しますか?
9-10を推奨者、7-8を中立者、0-6を批判者に分けます。NPSスコアは、推奨者の割合から批判者の割合を引いて計算します。中立者は引き算には入りませんが、割合計算の母数には含まれます。
NPSとCSATはどちらを使うべきですか?
サービス全体への推奨意向やロイヤルティを見たいならNPSが向いています。問い合わせ対応、購入後、イベント後など、直近の体験への満足度を見たいならCSATが向いています。
FORMLOVAでは無料でNPSフォームを作れますか?
作れます。FORMLOVAでは、NPS項目を含むフォーム作成、回答受付、回答閲覧、回答検索、ステータス管理、CSV / Excelエクスポートを無料プランから使えます。条件付きメール、自由記述分析、クロス集計、PDFレポートはスタンダード以上です。
低評価者には自動でメールを送るべきですか?
フォロー同意がある場合に限り、短く誠実な確認メールや担当者通知につなげるのが安全です。低評価だからといって無条件に営業・謝罪メールを送るのではなく、同意、文面、担当者確認の流れを設計してください。
参考
- Bain & Company: Introducing the Net Promoter System
- Bain & Company: Measuring Your Net Promoter Score
- Bain & Company: NPS Trademarks and Licensing
- SurveyMonkey Help: SurveyMonkeyで顧客満足度(CSAT)を測定する
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執筆・確認情報
この記事は、2026年5月4日時点の各社公式情報を確認して執筆しています。筆者はFORMLOVAの開発者です。NPSの計算方法、商標表記、CSATの一般的な計算方法については、公開情報と公式情報を参照しました。料金、機能、上限値などの条件は変更される可能性があるため、最新情報は各サービスの公式ページで確認してください。個人情報、医療、金融、採用、法務に関わるアンケート運用は、各社の規程や専門家の確認に合わせてください。


