最終更新日: 2026-09-04
満足度調査は、最初に「何について、誰の、どの判断を改善するか」を決め、同じ体験をした人へ、意味を明記した5段階評価を尋ねます。集計では平均値だけでなく各選択肢の人数と割合を見て、理由を聞く質問と組み合わせ、担当者・期限・再測定日まで決めるのが基本です。
おすすめのラベルは、1「非常に不満」、2「不満」、3「どちらともいえない」、4「満足」、5「非常に満足」です。「該当しない」「分からない」は3に含めず、必要な場合だけ別の選択肢として扱います。数字だけを並べるより、回答者と分析者の解釈をそろえやすくなります。
先に結論|5段階評価はラベルと使い道を先に固定する
| 決めること | 推奨する形 | 避けたい形 |
|---|---|---|
| 調査対象 | 「今回受けたサポート」など一つの体験 | 「商品・対応・価格を総合して」 |
| 質問 | 「どの程度満足しましたか」 | 「満足していただけましたか」 |
| 選択肢 | 5件すべてに意味を表示 | 1と5だけに説明を付ける |
| 対象外 | 「利用していない」を別項目にする | 中央の3へ混ぜる |
| 集計 | 件数・割合・理由を先に見る | 平均値だけで結論を出す |
| 改善 | 対象、担当、期限、再測定を決める | グラフを共有して終える |

アンケート全体の質問順や回答形式から決めたい場合はアンケートフォームの作り方を先に確認してください。NPSやCSATという特定指標の計算・運用が目的なら、NPS・CSATフォームの作り方が担当範囲です。
手順1: 調査対象と改善判断を決める
最初に「満足度を知りたい」とだけ書くと、質問が広がりすぎます。商品購入、初期設定、問い合わせ対応、イベント参加など、回答者が同じ場面を思い出せる単位へ絞ります。たとえば「先ほど受けたチャットサポートについて、どの程度満足しましたか」なら、何を評価するのかが明確です。
次に、結果を見た後の判断を一つ決めます。「説明資料を直す」「待ち時間を短くする施策を検討する」「低評価の理由を分類する」のように、運営側が動かせる判断にします。対象が曖昧なままでは、評価が下がっても価格、品質、接客のどれを直すべきか分かりません。
対象者と回答時期もそろえます。利用直後の評価と、利用から一か月後の評価は、思い出している内容が異なります。毎月比較するなら、案内方法、回答期限、対象条件もできるだけ同じにします。調査方法を変えた月は、その変更を記録し、単純な増減として扱わないようにします。
匿名か、個別フォローありかもここで決めます。率直な意見を優先するなら個人情報を減らします。問題解決のため連絡したいなら、評価とは別に「連絡を希望しますか」と連絡先を任意で尋ねます。連絡先を必須にすると回答者が特定を意識するため、匿名調査と同じ条件では比較できません。
目的文には、調査対象、所要時間の目安、回答の利用目的、匿名性または連絡の有無を短く書きます。ここまで決めると、不要な属性や興味本位の質問を削りやすくなります。
手順2: 5段階評価の質問とラベルを作る
主要質問は一つの内容だけを聞きます。「商品の品質とスタッフの対応に満足しましたか」と二つをまとめると、品質には満足、対応には不満だった人が答えられません。「商品品質」「スタッフ対応」を別々に尋ねるか、今回改善する一方だけに絞ります。
質問文は中立にします。「満足していただけましたか」より、「どの程度満足しましたか」のほうが、不満側の回答も選びやすくなります。選択肢は次のように完全な言葉で示します。
| 値 | ラベル | 集計時の意味 |
|---|---|---|
| 1 | 非常に不満 | 強い不満がある |
| 2 | 不満 | 不満がある |
| 3 | どちらともいえない | 満足とも不満とも判断しない |
| 4 | 満足 | 満足している |
| 5 | 非常に満足 | 強く満足している |
表示順を5から1にしても構いませんが、同じ調査の途中や月ごとに向きを変えないでください。保存する値と表示ラベルの対応を記録し、「5が高評価」を運営側で共有します。数字だけの尺度では、3を「普通」「分からない」「どちらでもない」と人によって読み替える可能性があります。
「該当しない」「その機能を使っていない」「分からない」は、満足と不満の中間ではありません。必要なら5段階とは別の回答として用意し、満足度の分母から外した件数も報告します。未回答も0点として扱わず、未回答数として分けます。
単一の満足度質問を「Likert尺度」と呼ぶときは注意が必要です。Likertが1932年に示した態度測定法は、複数の記述文への反応を組み合わせて態度を測る考え方です。一つの「満足しましたか」は、厳密には5段階の満足度項目、またはLikert型項目と表現するほうが区別しやすいでしょう。複数項目を合成して尺度得点を作る場合は、項目選定や妥当性の確認が別途必要です。
FORMLOVAで全5件のラベルを選択肢として表示するなら、single_select 項目に「1 非常に不満」から「5 非常に満足」までを登録します。現行の rating_scale 項目は1から5の数値を表示できますが、ラベルとして保持・表示できるのは最小側と最大側の端点2件です。rating_scale を使う場合は端点を「非常に不満」「非常に満足」とし、項目の説明文に「1=非常に不満、2=不満、3=どちらともいえない、4=満足、5=非常に満足」と対応を明記します。「該当しない」は別設問または事前分岐で扱い、1から5の値へ混ぜません。公開画面をスマートフォンでも確認し、テスト回答で表示と保存値の対応を照合してください。機能があること自体は、設問の妥当性や改善効果を保証しません。
手順3: 理由を聞く質問と属性を最小限に足す
5段階の値だけでは、次に何を直すかまでは分かりません。主要質問の直後に「その評価を選んだ理由を教えてください」という任意の自由記述を一つ置きます。必須の長文入力にすると、急いでいる回答者が離れたり、形式的な文章が増えたりするため、回答負担とのバランスを見ます。
改善候補を比較したいなら、「最も改善してほしい点」を選択式で一つ聞き、その後に補足を書く欄を置く方法もあります。選択肢には運営側の都合だけでなく、「その他」と自由入力を用意します。ただし、評価が低い人だけに理由を聞くと、高評価を生む要因が見えません。条件分岐を使う場合も、満足側の理由を拾う経路を残します。
属性は分析で使うものだけにします。店舗、利用プラン、初回・継続、利用した機能など、改善担当を分ける軸には意味があります。一方、年齢、性別、住所を集めても判断に使わないなら削ります。母数が小さい区分は個人が推測されやすく、割合も大きく動くため、細分化して公表しない配慮が必要です。
回答前には次をテストします。
- 対象の体験をしていない人が回答対象に混ざらないか
- 1から5の意味と方向がひと目で分かるか
- 「該当しない」と中央の3を区別できるか
- 一つの質問に二つの評価対象が入っていないか
- 自由記述を空欄でも送信できるか
- スマートフォンで全ラベルと送信ボタンが見えるか
CDCのQuestionnaire Design Research Laboratoryは、質問を意図どおり解釈できるかを認知インタビューなどで評価しています。大規模配布の前に、対象者に近い数人へ回答してもらい、「この質問をどう理解したか」「選択肢に迷ったか」を聞くのは、言葉のずれを見つける実務的な確認になります。
手順4: 分布を集計し改善へつなげる
集計は、まず有効回答数と各段階の件数・割合を出します。たとえば100件で「1: 8件、2: 12件、3: 25件、4: 40件、5: 15件」なら、平均は3.42ですが、1・2が20件あることや、3が25件あることも重要です。平均だけでは、評価が中央に集中したのか、高低へ二極化したのかを区別できません。
次に、対象外、未回答、重複や無効と判断した回答を別に数えます。除外条件は結果を見る前に決め、報告に残します。割合を示すときは分母も併記します。「満足が55%」だけでなく「有効回答100件中、4または5が55件」と書くと読み違いを減らせます。
期間や店舗で比較する場合は、件数が少ない区分の差を断定しません。質問文、ラベル、配布先、回答時期が違えば、変化は施策だけが原因とは限りません。「平均が0.2上がったから改善に成功した」とは決めず、分布、自由記述、運用変更を合わせて仮説として扱います。統計的な推定が必要な重要判断では、調査設計や統計の専門家へ確認してください。
FORMLOVAの現行分析実装では、rating_scale の回答分布を集計できます。回答を条件で絞り込む機能、クロス集計、自由記述分析、レポート生成も用意されています。まず全体分布を確認し、必要な軸だけで切り分け、理由の原文または分類を読みます。AIによる要約は確認の入口として使い、少数意見や原文の文脈まで自動で正しいとは考えないでください。詳しい回答後の整理はアンケート回答のAI分析ガイドで分けて解説しています。
最後に、結果から一つの改善を決めます。
- 低評価または迷いが多い場面を一つ選ぶ
- 自由記述から理由の仮説を確認する
- 変更内容、担当者、期限を決める
- 同じ質問・対象・時期で再測定する
- 分布と理由の変化を確認し、次の判断を残す
一度に複数の施策を変えると、どの変更が関係したか分かりにくくなります。満足度調査は点数を高く見せるためではなく、体験のどこを確認し、次に何を試すかを決めるために使います。
5段階評価を読むときのチェック表
| 見る数字・声 | 分かること | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 各値の件数・割合 | 評価がどこに分布するか | 評価の理由 |
| 4・5の割合 | 満足側を選んだ比率 | 業界標準との優劣 |
| 1・2の割合 | 不満側の規模 | 直すべき施策の因果 |
| 中央の3 | 中立を選んだ規模 | 無関心・未利用・不明の内訳 |
| 平均値 | 同じ条件での要約値 | 二極化や少数意見 |
| 自由記述 | 理由や改善案の手掛かり | 全回答者に同じ傾向があるか |
報告では、調査期間、対象条件、案内数、回答数、有効回答数、質問文、ラベル、除外条件を一緒に残します。次回も同じ条件を再現できることが、比較できる調査の土台です。
よくある質問
5段階評価の中央は「普通」でよいですか?
質問に合わせて「どちらともいえない」と明記するのが分かりやすいです。「普通」は期待どおり、可も不可もない、経験がない、判断できないなど複数の意味になりえます。経験がない人には「該当しない」を別に用意します。
4段階にして中央をなくしたほうがよいですか?
必ずしもそうではありません。中立の判断が妥当なテーマで中央をなくすと、回答者に満足側か不満側を強制します。何を測り、どう比較するかを決めたうえで選び、途中で段階数を変えないことが重要です。
平均点はいくつなら合格ですか?
どの調査にも共通する合格点はありません。対象、質問、期待水準、回答者が違うためです。自社の同じ条件での推移、各値の分布、理由、業務上の目標を合わせて判断します。
CSATやNPSとは同じですか?
同じではありません。5段階の満足度項目をCSATとして集計する運用はありますが、計算時の満足側の定義を決める必要があります。NPSは推奨意向を0から10で尋ねる別の指標です。指標の計算を導入したい場合はNPS・CSAT専用記事を確認してください。
参考にした一次情報
- Rensis Likert, A Technique for the Measurement of Attitudes(1932年、2026-09-04確認): 複数の記述文への反応を用いた態度測定法の原著です。
- UK Local Government Association, Benchmarking resident satisfaction data(2026-09-04確認): 公的な住民満足度調査で、満足・不満の5カテゴリーを比較可能な形で扱う例です。
- Waverley Borough Council, Tenant Satisfaction Measures Questionnaire(2026-09-04確認): 各段階を言葉で示した5段階満足度質問の実例です。
- US CDC, Collaborating Center for Questionnaire Design and Evaluation Research(2026-09-04確認): 質問が意図どおり理解されるかを評価する公的な調査研究情報です。
執筆・確認情報
この記事はFORMLOVAを開発するチームが執筆しています。製品機能は2026-09-04時点の現行SPEC、field schema、analytics実装で確認し、外部の調査設計情報は上記一次資料で照合しました。FORMLOVAの記載は利用できる機能の説明であり、調査の妥当性、統計的な有意差、満足度や事業成果の改善を保証するものではありません。
FORMLOVAで満足度調査を試作する
FORMLOVAなら、5件を明記する単一選択、端点ラベル付きの評価スケール、理由を聞く自由記述、必要な属性を一つのフォームにまとめ、回答を確認できます。全ラベルを見せるか数値スケールにするかを先に選び、対象外は別設問または事前分岐に分けて、短い調査を試作してみてください。


